3学期始業式の講話を掲載いたします。
2017-01-10
校長室だより ここに科学の力あり新年明けましておめでとうございます。
新たな1年が始まりました。このように3学年が一堂に会して式典をおこなうのもこれが最後の機会となりました。3年生にとってこの次は卒業式になります。2学期の終業式にも話をしましたが、今年はそれぞれにとって、昨年とは大きく環境が変わり、新たなステージでチャレンジをする1年になります。年の初めにこの1年の目標や夢、1年後に成長した自分の姿をしっかりと描いてください。
さて、昨日は成人の日でした。テレビのニュースでは各地で行われた成人式の様子が伝えられていましたが、その中で180度異なる成人式の様子が映し出されていました。まずは、熊本県益城町での成人式。昨年3月に大地震で甚大な被害を受けた地域です。322人が参加した成人式では町長が「復興の一員として力を貸してほしい」と述べられ、これに対し新成人の代表が「自分に何ができるかを考え、自覚と責任を持ち社会に貢献できる人間になるよう努力します」と宣言していました。同じく5年前に震災で多くの仲間を失った東北の若者は「ここまで生きてこれたことについて、感謝をしたい。そして命を落とした人たちのためにも強く生きていきたい」といったような言葉を述べていました。どちらの若者にも共通することは、大人としてそして社会の一員として、「自分の幸せ」だけでなく「人の幸せ」をイメージしていることでした。
おそらく、彼らは震災にあった時、いろいろな人たちから支援を受けたり、お互いが助け合う中で、手を差し伸べられる喜びや心強さを実感し、今度は自分たちが自分の幸せだけではなく、人の幸せのために力を注ぎたいという思いにかられたのではないでしょうか。 ところが一方、残念な成人式の様子も伝えられました。茨城県つくば市の成人式では数名の若者が、市長の挨拶中に椅子を投げようとしたり、ステージに上がろうとしたりして暴れ、開始15分で式が中断しまいました。しかも、その中の一人はテレビの「みんなに迷惑をかけたことをどう思うか。」とうインタビューに対し「俺が楽しかったら良い。俺が主役。」と答えていました。その成人式には多くの新成人が出席していました。本人も家族もずっと前から楽しみにしていたことと思います。中には、いろいろなことがあって特別な思いで迎えた人もいるでしょう。ところが、この残念な若者には20歳にもなってそれをイメージする力がついてないのです。「自分」というものを「人との関係」や「社会の一員」として考える力、自分の行動によって他の人がどうなるかをイメージする力を持っている人は、社会にとってプラスの行動をします。ところが、人のことを考えず、自分さえ良ければ良いという考えの人はマイナスの行動をとるのです。授業中や集会で私語をして聞きたい人の邪魔をする行動も、自分のことしか考えていないマイナスの行動です。
「人の気持ちをイメージする力」は学校の授業で教えてもらうものではありません。 まずは、自分がしてもらっているいろんなことに感謝の気持ちを持つこと。そうすれば、自分がしてもらって嬉しいことを人にしてあげることができる人になれるはずです。
ぜひ、皆さんには「自分のこと」だけではなく周りのことを考えることのできる人に成長して欲しいと思います。
最後に、この3学期は進級、卒業に向けて大切な時期です。
3年生は、授業が残り15日しかありません。ほぼ2週間です。マラソンで言えば競技場に入ってきて、まさにゴールが目の前にある状態です。高校生活の締めくくりとして最後までしっかりと走り、しっかりとゴールして欲しいと思います。
1・2年生も学年末テストまで22日しかありません。まだまだゴールではありませんが、ぜひともここにいる全員が、一つ上の学年へしっかりとバトンをつないでください。
とにかく、進級・卒業が危ぶまれる人は、まず明日からの授業1時間1時間を大切にすることが大事です。また、余裕がある人も、自分さえ良ければという自己中心的な考えではなく、周りの友だちの中に「今頑張らなくてはならない人」がいることを頭に置きながら、クラス全員が進級卒業できるための授業の雰囲気づくりに協力をしてください。
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