茨木工科高校ブログ

2学期終業式講話を掲載いたします。

2017-12-22

2学期終業式 式辞

 今年も残すところ10日程となりました。この1年も生徒の皆さんにとって、様々な出来事があったと思います。ぜひとも、それぞれがそれぞれの1年を振り返り、「成長したこと」や「まだ自分自身には足りないところ」などを考えながら、新たに始まる1年に向けた目標をしっかりと掲げてください。特に3年生にとっては高校生として迎える最後の正月となりました。そういう意味では、この1年だけではなく高校生活全般を振り返りながら、新たなチャレンジに向けた気持ちの準備をして欲しいと思います。

 さて、新聞やテレビの報道で知っている人も多いと思いますが今月の7日、神奈川県で起こった事故が世間で大きく取り上げられています。77歳のお年寄りが、20歳の女子大生の運転する自転車にはねられ亡くなるという痛ましい事故です。加害者の女子大生は、「重過失致死の疑い」で書類送検されたのですが、事故当時、左手にはスマホ、右手には飲み物を持ちながらハンドルを支え、耳にはイヤホンをしていました。衝突直前までスマホを操作しており、左側から歩いてきた被害者に気付かなかったということです。 常識的に考えると、事故が起こって当然な状況であり、おそらく被害者の家族にとっては加害者のいい加減な行動を許すことができない思いであると推測されます。

 これは極端なケースかもしれませんが、皆さんの中にも自転車に乗りながらスマホを操作したことのある人はいるはずです。全国ではスマホを操作していた事による自転車事故はここ5年間で800件ほど発生しています。被害者となったケース、加害者となったケース様々です。

 また、イヤホン等で音楽を聴いていることによる事故も多発しています。クラクションが聞こえなかったり人が近づいているのがわからなかったりすることで事故に繋がるケースです。

 加害者となった際にイヤホンを聴いていたということで罪が大きくなり、禁固刑になった事例もあります。

 人の多くは、「自分は大丈夫だ」とか「これは稀なできごとだ」と思っています。つまり、このようなニュースを耳にしてもそれは「人ごと」で、それが実際自分の身の上に起こり、被害者として怪我や命を失うことになったり、加害者として人を怪我させたり命を奪ったりすることになるかも知れないという「自分ごと」として捉えることは少ないと思います。

 しかし、実際、この中にも自転車事故やバイクの事故でけがをした経験のある人はいます。その時になって初めて「自分ごと」になるのです。警察の統計では年代別にみた事故の件数は、15歳から19歳が飛びぬけて多くなっています。「自分だけは大丈夫」という誤った考えを持たず、「起こるかも知れない」という危機感を持ち、安全運転を心がけてください。

  今日は、自転車事故に絞り話をしましたが、私たちの周りには常に様々な危険が潜んでいます。いつ起こっても不思議ではない大地震などの災害に加え、昨今は国際情勢の悪化による他国からの「ミサイル攻撃」にも備えが必要な時代を生き抜いていかなくてはなりません。 生徒の皆さんには、自分自身で自分を守る力、そして他人の命を尊重する力を高めて欲しいと思います。 それでは、3学期の始業式に生徒全員が元気な姿で参加することを願い、2学期終業式の式辞とします。

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