校長室だより 第71号を掲載しました
2015-04-08
校長室だより 第71号 ここに科学の力あり(始業式講話、入学式式辞)みなさん、おはようございます。
4月に入り、暖かい日が続いていましたが、少し季節が逆戻りしたような感じがします。
今日からいよいよ新年度が始まります。平成27年度のスタートです。
終業式でも、話ましたが、3 年生は最終学年になり,いよいよ進路選択が目前に迫ってきました。2 年生は学校生活にも慣れ、学校の中核として活躍する学年になりました。
1年生については、今日の午後に入学式を行い、入学許可をします。明日の離任式・対面式で3学年が揃うことになります。
さて、本校には、日頃からたくさんの電話やファックスが届きます。特に、近隣の方から、本校生徒の通学マナー等で苦情の電話やファックスをいただくことも少なくありません。
3月下旬のある日、校長宛にファックスが届きました。どこかの団体からではなく、個人からのものです。個人からのものは、だいたい苦情が多く、またかと一瞬思いましたが、読み進めていくうちに、こちらこそ感謝の気持ちで一杯になる内容で、これは是非、皆さんにも紹介したいと思いました。まず、そのファックスの文面を読み上げます。
茨木工科高等学校 校長様
今日、実家から泊まりに来る72歳の母と大阪駅で待ち合わせをし、確か19時15分前後のJR京都線のことです。 乗った瞬間に6人程の男子学生の方がさっと立って母に席を譲ってくれました。
優先座席ではありますが、若者が座っていけないわけではなく空いていればいいわけで、私自身も通勤する中で、混んでても平然とサラリーマンの方やOLの方が優先座席に座っているのを見かけます。
母が電車に乗った瞬間に学生の方がさっと立ってくれた行動があまりにも素敵でした。母もどこの学校の生徒かな?と気にしていました。
私たち親子は岸辺駅で降りましたが、降りるときにありがとうと頭を下げて降りました。彼たちもぺこっと頭を下げてくれました。
鞄に茨工とありました。こんな言い方は失礼ですが、坊主頭だから野球部の方かな?
今の時代にはあまり見かけなくなった行動。当たり前の行動のようで当たり前ではない時代・・・。
さっと皆さんが立って下さった行動が自然で本当に感激しました。
こんな優しい生徒さんがいること、そして改めて本当にありがとうございましたと、この感謝の気持ちが届けばとFAXさせていただきました。何気ない行動が人の心を動かすって素晴らしいですね。
大変喜んでいたと是非お伝えください。
本当に嬉しかったです!ありがとうございました!!
というような内容です。
電車の中で、高齢者に席を譲るというごく当たり前の行動に、感激し、わざわざその感謝の気持ちを文章にしてファックスしてくださったわけです。野球部の皆さんの行動がよほど自然で、文面にもありましたが素敵だったんですね。
「何気ない行動が人の心を動かすって素晴らしいですね」という言葉がすべてを象徴し、最高の褒め言葉になっていると思います。
私がいつも言っていること A(当たり前のことを)B(バカにせず)C(ちゃんとできる人が)D(ほんとうにできる人)というABCDの規則を野球部の皆さんは実践し、実際に人に感動を与えたわけです。
校長として、こんな嬉しいことはありません。
皆さん、新年度のスタートにあたり、改めてABCDの規則をしっかりと確認し、日々意識して過ごして欲しいと思います。
以上で、私の話を終わります。
講話後、離任者の紹介、その後、着任式を実施。
花咲く春を迎え、第11回入学式を挙行するにあたり、多数の御来賓並び保護者の皆様のご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
ただ今、303名の生徒に、入学許可をいたしました。保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。教職員一同、心よりお祝い申し上げます。
さて、晴れて入学された新入生の皆さん、ようこそ茨木工科高校へ、入学おめでとうございます。
高校選びの過程では、いろいろなことがあったと思いますが、最終的には、自らの意思で本校を志願し、入学を果たされました。夢と希望、そして何より誇りを持ってこの茨木工科高校へ入学してください。
皆さんを支え、育んでくれた中学校の先生方をはじめ、保護者の方々は、高校での皆さんの一層の活躍を、心から期待しておられるでしょう。
皆さんは、昭和38年に開校した本校の前身である茨木工業高校から数えると53番目の入学生、工科高校としては、11番目の入学生、第11期生です。
本校は、最近の英語訳の卒業証明書の申請の増加に象徴されるように、卒業生は、府内はもとより全国、そして世界で活躍しており、有為な人材を産業界をはじめ各方面に送り出す専門高校として確固たる地位を築いています。
今、日本の社会・経済は多くの問題を抱え、先行きの不透明感は増すばかりですが、こういう時期こそ日本のものづくりの力が求められ、それを支える工業教育に対する期待も大きくなっています。
そこで、皆さんが本校に入学し、新しい高校生活を送るにあたって、次の2つのことを心にとどめてほしいと思います。
1つ目は、「ものづくり」の大切さと面白さをしっかり学ぶとともに、資格取得やクラブ活動にも取り組んでほしいということです。
本校は、機械系・電気系・環境化学システム系そして昨年度からスタートした工学系の4つの専門系からなる専門高校です。
工学系以外の総合募集の専科は、1年生では共通の勉強をし、2年生から機械・電気・環境化学システムのどれかの系に進級します。
工学系を含めてそれぞれの系には、普通科高校にはない特色ある実験・実習の時間があり、3年生では、実習の時間に製作した作品を主に茨木市内の小中学校に寄贈したり、ものづくり技術を活用し、茨木市のイベント事業に協力するなどの地域貢献活動もしております。
また、資格取得指導にも力を入れており、国家資格である電気工事士や危険物取扱者などのさまざまな資格に多数の合格者を出しています。
クラブ活動においても、毎年、全国大会に出場している自転車競技部をはじめ、14の運動系・13の文化系クラブ・同好会で、多くの生徒が熱心に活動しています。
冒頭でも触れましたが、本校は北摂地域唯一の府立の工業高校として、50年以上の歴史を刻み、国内はもとより世界中にものづくり産業を支える中堅技術者を送り出している伝統校であります。
どうか胸を張って、誇りを持って入学してください。そして、本校入学を機に、中学時代のマイナスの自分と決別し、新たな目標をもってチャレンジしてほしいと思います。
2つ目は、「規律あるそして思いやりのある行動をしてほしい」ということです。
集団生活を営む人間社会において、私たち一人ひとりの自由や幸せを維持するため、規律やマナーを守ることは人類が作り出した知恵です。
学校もたくさんの先生、生徒が存在するひとつの社会です。自分だけでなく友だちも気持ちよく学校生活が送れるよう、自分のわがままをおさえていく必要があるとともに、自分の態度や行動が集団にとってプラスの方向に働いているのかをよく見極めてほしいのです。
特に本校では、実習・実験の時間が多くを占め、皆さんの安全を確保する意味でも、規律ある行動を強く求めます。
他校よりもルールが厳しいと感じるかもしれませんが、われわれ教職員は、皆さんが進級、卒業し、その後のよりよい進路を決定するためにも、規律ある学校生活を送ることが不可欠だと考えています。
ルールから逸脱した行動をとった場合は、厳しく指導しますが、皆さんの自己実現、言い方を変えれば、幸せにつながることだということを理解してください。
以上2つのことを念頭において、本校での学校生活を送ってください。
最後になりましたが、保護者の皆様方にお願いしたいことがあります。
思春期の真中である高校生の年代は、不安定な時期でもあります。お子様が今後、高校生活を送る上で、さまざまな課題が生じると思いますが、健全な成長は学校教育だけで果たすことはできません。学校と家庭が手を携えて、同じ方向をめざし、協力して対応していくことが必要であると考えます。
本校教職員全員が全力をあげてお子様の成長のために頑張ってまいりますので、何卒ご協力のほどよろしくお願い申しあげます。
最後にこのことをお願いして、式辞といたします。
平成27年4月8日
大阪府立茨木工科高等学校
校長 辻井 安喜
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