2学期始業式の講話を掲載しました。
2016-08-30
校長室だより ここに科学の力ありそれぞれの思い、目的で過ごした夏休みが終わりました。 まず、一番の喜びは今日、工科高校の生徒が大きな事故もなくこのように2学期の始業式を迎えられたことです。私はこの夏休み、生徒の頑張る姿を見ようと運動部や文化部の公式戦や練習などを見て回りました。普段の授業とは違う姿、暑さにも負けず活き活きと活動する姿を見ることができ本当に良かったです。
話は変わりますが、今年はリオでオリンピックが開催され、選手の頑張る姿が多くの感動を与えてくれました。皆さんの中にも、興味のある競技をテレビで観戦した人が多くいると思います。
メダルを取った選手、残念ながら負けてしまった選手。中には、銀メダルを取ったのに金ではない悔しさに涙を流している選手もいました。 一生懸命に競技をする選手たちを見て、あらためて「本当の喜び、悔しさ、感動というものは、そのことに全力で打ち込んだ人にだけ感じることができるもの」であることを確信しました。華やかな舞台の裏では、血のにじむ思いの努力があるのでしょう。 私も、様々な競技をテレビで観戦しました。そして、その中で選手のインタビューを聞きながら、話す内容に共通点があることに気づきました。まずひとつは、多くの選手が自分の力を信じる言葉や自分の成長を確信する前向きな言葉を述べていたことです。
例えば、オリンピック4連覇という偉業を成し遂げたレスリングの伊調選手は、「金メダルを取ったけど内容は30点」と自己採点していました。普通は、金メダルを取って手放しで喜ぶはずなのに、彼女は内容に満足しませんでした。これは、絶対的に自分の力を信じ、自分を大切にしていることからでてくる言葉に違いありません。また、惜しくも金メダルを逃した銀、銅のメダリストの多くが満足することなく「次は金メダルを取る。」とさらなる意気込みを示し、同様に今回メダルを取れなかった選手の多くも「今の自分を考えたら、この結果は仕方がない。しかし、次回の東京オリンピックでは必ずメダルを取る。」と力強く発言していました。その姿は、自らの今後4年間の成長を確信し、未来の自分を楽しみにしているように見えました。自らの力とその成長を信じる気持ちが「やる気」に繋がり、厳しい練習を乗り越える力を生み出すのだと思います。
もう一つ感じたことは、勝った選手も負けた選手も「皆が背中を押してくれたので・・・」「皆が応援してくれたのに・・・」といった周囲に対する感謝の気持ちを述べていたことです。周りに支えられて今の自分があるという謙虚な気持ち、そしてその支えに感謝する気持ちがあるからこそ自らを奮い立たせ、力の限り競技することができるのだと思います。
皆さんも、オリンピック選手と同じく、一人ひとりが大きな可能性を持った人間です。これから厳しい社会を生き抜いていくうえで、「自分を信じ、自分の成長を楽しむ力」そして「自分を支えてくれる周りに感謝をする気持ち」を持ち続けて欲しいと思います。 3年生は、この2学期が自らの人生の夢の実現に向けてチャレンジするときです。夢の実現に向けて後悔のないよう、ベストを尽くしてください。1年生、2年生にとっても1年間の成長を左右する重要な時期です。学習に行事に前向きな高校生活を送ってください。
最後になりますが、7月に授業アンケートを行いました。ほとんどの生徒が、真剣にアンケートに回答し、授業の満足度や要望を書いてくれました。結果をそれぞれの先生方に伝えるとともに、学校全体として、生徒が授業に対してどのような思いをもっているのかを知り、より良い授業をしていくための参考資料にしていきます。 自由記述で書かれてあったことについても、必要なものについては先生方に伝えました。先生方も「よりわかりやすい授業」に向けて努力をしていきます。ただ、授業は先生と生徒の協力で良くしていくものです。授業を受ける態度、授業規律をしっかりと守ることは授業の質の向上にとって必要不可欠です。自由記述欄に「私語をする生徒をしっかりと指導してほしい」ということも多く書かれていました。確かに、生徒を注意するのは先生の役割です。しかし、その前に私語をして授業の雰囲気を乱している生徒本人に大きな責任があります。1学期を振り返って、授業態度が良くなかったという自覚がある生徒は、周りにいる多くの生徒が「静かな環境で授業を受けたい」と授業中の私語を不愉快に思っているということに気づき、改善してほしいと思います。
それでは、2学期の皆さんの活躍を期待しています。
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